IP WEB −IP航海日誌−アーカイブ IP WEB Advertise Project Report Seminar Service About us
HomeIPBio/MedicalEcologyTechnologyITMarket

PFIがもたらす投資、地方分権への影響  2001.9.15 - written by ipweb editor -


はじめに

今、民間の資金やノウハウを使った社会資本整備の手法(PFI)が注目を集めている。これは、Private Finance Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)の略で、90年代前半のイギリス、サッチャー政権下で行われたのが始まり。日本でも、97年に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」が成立、今年1月に国がガイドラインを公表した。既に東京都や神奈川県のほか岡山県が指針を策定。自治体の財政負担の軽減、雇用創出による経済の活性化、地方自治体の公共事業依存体質の改善など、産業構造の変革につながるとして、現在、注目を集めている。


PFIとは

従来の公共事業は国の主導で行われていた。企業はそれを請け負い、建設するのみ。完成した施設は国の施設として国や特殊法人、第三セクターが運営に当たっていた。建設にかかる費用は税金だ。これに対して、PFIでは民間の資金、経営ノウハウを利用する。基本的な仕組みとしては、企業はプロジェクト事業会社を設立。国や自治体と事業契約を結び、建設、運営、管理を行なう。初期費用は民間からの出資や投資によってまかない、直接または間接的に入ってくる施設使用料などを返済や配当に当てる。採算性を重視した民間手法を導入することで早期建設と効率的な運営が可能になる。


従来の公共投資とPFIとの比較

  1. 民間の創意工夫が事業に活かされることによる経費削減と収入増加、その結果として財政支出の削減が期待できる。

  2. 事業発案から終結までの過程を公表することで利用者にオープンな形で事業進行がなされる。

  3. 民間とのリスク分担を契約で明確化することで将来における責任の所在が明確になる。

  4. 民間の事業機会を創出することで経済の活性化につながる。

イギリスでのPFI成功例
  1. 刑務所の建設・運営
    ノッティンガムのローダム・グランジ刑務所は、英国の施設管理会社と米国の民営刑務所運営会社が共同出資した特定目的会社が運営を行なっている。工期の短縮、人件費の抑制、囚人の待遇改善などをはかったことで、大幅なコスト削減を実現した。

  2. 道路の建設・運営
    イングランドとスコットランドを結ぶ幹線道路の延長工事にもPFIは導入された。建設資金は、建設会社4社とPFI投資会社が出資、残りはさまざまな債権を発行しこれを当てた。政府は着工から30年、車の台数に応じ、使用料を事業主体に払う。

  3. 廃棄物発電・リサイクル事業
    カークリース市の5つの自治体では、廃棄物処理を企業に委託。埋め立てから焼却処分に切り替え、廃棄物発電事業を開始。このように、イギリスでの成功例は日本でも導入可能なものばかりだ。特に、高速道路建設に関しては、現在、道路4公団の統合、民営化が叫ばれており、検討する余地は十分あると思われる。

日本での取り組み

97年の法成立以後、さまざまな公的事業がPFI方式で実施されている。金町浄水場用発電PFIモデル事業(東京都葛飾区)、神奈川県立保健医療福祉大学整備(神奈川県横須賀市)、大牟田RDF発電施設整備(福岡県大牟田市)、君津広域廃棄物処理事業施設整備(千葉県木更津市)などがその一部だ。今後予定されているものとしては、長崎県の新衛生公害研究所建設、国の成田新高速鉄道や首都圏の3環状道路の整備などが挙げられる。いずれも、にもPFI方式がとられる見込みだ。


PFIがもたらすメリット
  1. 投資市場の活性化
    財政再建や公共事業費削減が叫ばれる中、PFIを導入した社会資本の整備は今後さらに増えることが予想される。採算性を重視するPFIでは利益のあるものへの投資は盛んに行なわれる。不動産投信など新しい投資信託が出現する中、PFIを対象としたものも現れるかもしれない。現にイギリスでは存在している。

  2. 地方分権の加速
    これまで国の主導で行われてきた地方の公共事業だが、民間の施設を借りるというPFI方式を導入することで、国への依存度を下げることができる。みずからがリターンとリスクを享受するという意識を地方が持つことで、地方分権を加速することができる。



| 戻る |

Copyright© 2000-2004 Intellectual Asset Management Ltd. All rights reserved.