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ナノテク特許の最前線  2001.5.23 - written by Hiroshi Akasaka -


最近、大手企業による研究体制の強化発表によって日本でもにわかに脚光を浴びてきたナノテクノロジーですが、これは何ナノでしょうか?ナノ(nano)とは10億分の1を表す補助単位です。つまり1000分の1を表すミリ(m)と同じで、1ミリメートル(mm)は1000分の1メートルを表す訳ですから、1ナノメートル(nm)は10億分の1メートルを表している訳です。どのくらいの長さを表すかというと、タバコの煙の粒子が10〜150nm程度、物質を構成する分子の直径が数nmであり、この長さのものを扱う超精密技術をナノテクノロジーと総称している訳です。

一口にナノテクといっても技術的な範囲は非常に幅広く、研究自体はおおむね企業それぞれの専門分野において進められています。したがってナノテク関連特許の場合、各技術分野においてそのような超微細技術を扱ったものに関連した特許を調べることになります。現在注目されている主な技術分野は、超小型コンピュータや超小型ロボットの開発といったコンピュータ及びエレクトロニクス分野、構造解析や合成技術を応用した新素材の開発などです。ただし今のところナノテク関連分野で特許申請されているものはまだ少数で、各社とも実用化のための技術を模索しつつ、研究を進めている段階といえるでしょう。

コンピュータ関連技術では、現在アルミや銅を用いたマイクロメートル(μm :μは100万分の1)単位での配線技術が主となっていますが、 こうした金属を配線として利用し続けるには物理的な限界が存在します。そこで現在は、ナノメートル程度の幅で電子をやり取りすることの出来る「ナノワイヤー」や、電子一個でスイッチのオン/オフを制御出来るような単電子素子、あるいは有機分子を用いた素子の開発が進められています。こうした技術が実用化されれば、膨大な量の情報を角砂糖サイズに収められるような記憶媒体や、手のひらサイズのスーパーコンピュータが実現されるかも知れません。

また、新素材の開発については大手化学会社も参入しています。原子や分子を直接操作して物質を合成出来るということは、これまでとは違うアプローチでの新素材開発が可能になる事を意味します。また、最近注目されているカーボンナノチューブをカプセルとして用い、燃料電池のための水素分子を貯蔵するなど、材料関連でもあらゆる方面への応用が期待されています。環境・エネルギー及びバイオテクノロジー分野への応用もこれから広がっていくでしょう。

アメリカは国家プロジェクトとしてナノテク研究への予算を2001年度に約5億ドル投入するとし、IBMやHewlett-Packard社といったコンピュータサイエンス関連の研究所では量子コンピュータの研究が進められていることから、やはり米国企業の技術動向にも注目すべきでしょう。先ほど触れたカーボンナノチューブ関連では、三菱商事が米RCT社と共同でフラーレンの物質特許を取得しており、、4億円を投じてナノテク事業の会社を設立しました。日本政府も2001年度予算案でナノテク推進に前年度比3.5倍の106億円を盛り込んでおり、 まさにこれからの技術発展が期待されるところです。



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