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日米欧3極特許庁専門家会合  2000.6.25 - written by Tomohito Ihara -


先週は、IPRトピックを休ませていただきましたが、今週は、ビジネスモデル特許に関する最近の最大のトピックである日米欧3極の特許庁の専門家会合について、書いてみたいと思います。
 
6月14日から16日の3日間、東京の特許庁において、日米欧の特許庁の専門家によるビジネスモデル特許と遺伝子特許の問題が検討されました。
 
ビジネスモデル特許(特許庁の資料では、「ビジネス方法関連発明」となっています)については、日本と米国の特許庁が行った比較研究をもとに、欧州の特許庁の意見も踏まえて、以下の2点が、3特許庁において確認されました。

1. コンピュータにより実現されたビジネス方法が特許適格性を有するためには、「技術的側面」が要求される。
  2. 通常の自動化技術を用いて、人間が行っている公知の業務方法を単に自動化しただけでは、特許性がない。

この2つの合意について、新聞などでは、大きく2つの論調が見られます。一つは、この合意によって、ビジネスモデル特許の基準がはっきりし、混乱が収束するであろうというものであり、もう一つは、この合意自体は玉虫色であり、何ら解決になるものではないというものですが、どちらかといえば、後者の論調を取っている新聞等が多かった感じがします。特に後者の意見の中では、例えば、「技術的側面」といってもどの程度の技術的関連性が必要なのか、また、「単に自動化」という場合に、コンピュータを使って効率性が飛躍的に伸びるような場合も含むのかといった点については、必ずしも明確ではないとの指摘がなされています。  
個人的な意見としては、後者の論調がいうように、今回の合意によって、現在、申請中のビジネスモデル特許と言われているものが、特許となるかどうかがすべからく明確になったわけではないとは思いますが、このビジネスモデル特許の基準がくっきりと明確にすることは難しいと思いますし、かえって無理をして、妙なメルクマールが合意されるよりも、この合意をきっかけに特許庁の審査が進むことが期待できるという点に意味を見いだすべきではないかと思います。そして、その審査の結果が出てくれば、徐々に相場観が形成されるのではないでしょうか。

また、今回の合意のもう一つの意味は、当初はこの議論に加わることに消極的であったヨーロッパが少なくとも関与したという点と考えられます。これにより、企業は、欧州や米国まで視野に入れた特許戦略がよりやりやすくなったのではないでしょうか。
 
そして、今回の会合では、三庁とも、次のステップとして、三極協力の枠組みの中でこの分野での先行文献調査に関する協力に焦点を当てるべきということを認識し、新たに、ビジネス方法発明分野において「共同サーチ・プロジェクト」を開始することで合意しており、このプロジェクトが、審査の促進につながることが期待されます。  この専門家会合では、ビジネスモデル特許とともに、遺伝子特許についても議論され、前回の遺伝子断片で確認された「機能が明らかにされない場合には特許が認められない」という考え方が全ての遺伝子関連発明に適用されることが確認されたようであり、今後は、特許を認める上で必要となる具体的な機能の特定の方法について、3極が協力していくこととなったようです。

いずれについても、詳細については、特許庁のホームページの最近のトピックで見ることができますので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。



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