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著作権流通の様々な課題(DVD著作権補償金、デジタルラジオ放送裁判など)
2000.5.28 - written by Tomohito Ihara -


今週は、ビジネスモデル特許の話を一休みして、知的財産権(IPR)の一つの柱である著作権の話題を取り上げてみましょう。
 
5月26日の日経新聞の夕刊によると、DVDの著作権に関する補償金について、DVD録画機器のメーカー側の日本電子機械工業会や日本記録メディア工業会と、日本民間放送連盟などの著作権団体が合意する見通しとなったとのことでした。補償金とは、DVD録画が普及することによる、テレビドラマや映画などをソフトの売上減少を補償するというものです。記事によると、DVD録画機を製造する企業は、卸値の1%、上限1,000円の補償金を、著作権団体に支払うということです。
 
その記事の10日ほど前には、著作権を巡る興味深い判決が出ています。 この裁判において、レコード会社とデジタル放送番組を制作・放送した会社とが、争った論点の一つが、デジタル信号によるラジオ音楽番組が、著作権法上の「放送」にあたるかどうかでした。
 
もし、この番組が、「放送」ではないとされると、レコード会社に著作者隣接権が認められ、無断複製を禁じることができる一方、「放送」となると著作者隣接権は認められず、報酬請求権しか認められないことになるのです。従来の感覚でいえば、ラジオは「放送」であることに疑いはなかったでしょうが、デジタル信号で音質が落ちずに、ラジオを聞いている人が私的録音をどんどんやるようになると、「放送」として扱う必要がないのではないかという議論が起きてきたのです。

東京地方裁判所は、法律上は「放送」に該当すると判決する一方、デジタル信号による 番組が、著作権法上は想定しない事態であり、立法が対応すべきと指摘しました。
 
また、アメリカでも著作権を巡る騒動が起きているようです。5月19日の産経新聞夕刊によると、インターネット上での音楽交換サイトやソフトウェアを提供する企業を、レコード協会等の著作権団体が訴える動きがあるとのことです。

いずれの記事も、著作権の流通に関する記事でした。著作権は、特許に比べて、昔から 流通し、ビジネスとして確立していますが、IT技術の進歩によって、従来の流通形態が崩れてきたことから、新しい問題が起きているのです。

著作権の流通についても、新たな技術的進歩とあわせ、新しいシステムを考えてみてもいいのではないでしょうか。例えば、曲や流通形態によって、もっと柔軟に著作権の価値を決めるシステムがあってもいいのではないでしょうか。



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