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地域通貨「エコマネー」の現状と背景  2001.10.1 - written by kiwifruit -


1. 地域通貨の定義

地域通貨の一般的な定義は以下のとおりである。
「国民通貨とは別に、ある地域や特定のグループの合意に基づき、物やサービスの交換に使われる独自の「通貨」を「地域通貨」という。」
  1. 1930年代に欧米で、地域経済の復興や活性化を目的とした地域通貨が試みられたが、国家によって禁止されたり、短期間で失敗したりしてきた。

  2. 1980年代より、再び世界各地で使われ始め、日本では1998年以降、その有用性が注目され着実に広まってきている。

  3. 地域通貨の形態や目的は多種多様で、決まったものではない。

  4. 地域通貨は、地域やグループそれぞれの理念や目的に合わせて生活に導入していく、「交換のための道具」であり、当事者が工夫しながら作り上げていくものである。
《地域通貨の特徴》

地域通貨は、貨幣のもつ3つの機能(a.価値尺度機能 b.一般交換手段機能 c.価値貯蓄機能)のうち、b.一般交換機能 に特化したものと言われている。また、基本的に地域通貨の発行権は個人にある。このことから、以下の特徴が生まれる。

a. 通貨の価値は、相互の信頼関係を担保とする。
b. 限られた地域や特定のグループの中でしか使用できない。
c. 特定の物のサービスとしか交換できない。
d. 利子がつかない。
e. 取引の価格は相互に決定する。


2. 地域通貨導入の背景

地域通貨は1980年代より世界各地で広まってきた。また日本では1998年頃から活動が広がり、マスコミでもしばしば報道されている。なぜこのように広がっているのか、その背景となる問題点を挙げると以下のとおりである。

(1) 経済のグローバリゼーションが引き起こした問題
投資家によって一定の収益を上げられないと見なされた地域経済の衰退
環境問題の拡大・地球環境の劣化
コミュニティーの崩壊

(2) 地域コミュニティーの崩壊がもたらした問題
高齢者の孤立と介護問題
子育て困難
商店街の衰退
地域環境の悪化

このような深刻な状況に対応するため「地域通貨」を導入し、地域の独自性・多様性を尊重し、信頼に基づいたコミュニティーの再構築、支えあいによる地域づくりを行政と地域住民とが一体となって行おうとしている。


3. 地域通貨の効果


地域通貨の効果には、経済的側面とコミュニティー活性化の側面がある。経済活性化のために導入された地域通貨では、地域通貨の流通により物流が促進し、同時に国民通貨の流通を促すなどの効果をあげている。
また、個人の自発性とグループ内の信頼により成立する「地域通貨」は「活動そのものが楽しい」ということも大きな特徴であり魅力でもある。この魅力は、以下のような地域通貨の仕組みからきている。

誰もがサービスの提供者になれ、貨幣では評価されないちょっとした支え合いを評価し合える。
  サービスの依頼は、グループの貢献を引き出す行為として評価される。

これは普通のお金の世界では考えられない、ダイナミックな価値の転換である。このことから、サービスを頼む事も提供する事も楽にできるようになり、「支え合い」がスムーズに行われるようになる。
具体的には、以下のような効果が生まれる。

I. 地域での市民交流の活性化
     
相互にサービスを提供しあうことにより、充実感や安心感が生まれ、地域での存在意義を持つきっかけとなる。
  II. 地域の課題の明確化
   
. 地域通貨の流通のなかで、地域の課題が明確になる。


4.地域通貨の実例

LETS(Local Exchange Trading System:地域交換取引システム)
− 実例:イサカアワー(ニューヨーク州・イサカ市)、Peanuts(千葉市)−
地域であらかじめメンバー登録したユーザー間で、メンバー間だけに適用するコミュニティーマネーを媒介として、メンバー間で提供し合える財やサービスの取引をするシステムである。

タイムダラー
−実例:イタリア時間銀行(イタリア)、NALK(大阪市)、ZUKA(宝塚市)−
基本的に「1時間1点」という交換基準で、参加者が自分たちにできることを提供し合い、お互いに助け合いの精神に基づいて、会員間で点数(時間)を交換するシステムである。相互扶助精神に基づいたコミュニティーの再生を目指している。当初は、高齢者福祉を主とするプロジェクトから生まれた方式であるが、最近では、青少年の健全育成やコミュニティーづくり、世代を超えた助け合いなど幅広い範囲で利用され、各地のNPOをはじめ、自治体との協働事業も行われている。


☆資本主義経済の大波に飲まれ、様々なモノの価値は常に「円換算」され判断されるという今日、とかく個人の生活はぎすぎすしたもの、人間性の欠如したものとなりがちである。しかし、お金(国民通貨)では換算できないような価値というものこそ人間の生活には欠かせないものなのだ。その価値判断の基準となるのが「エコマネー」である。例えば、地域の緑化活動、ボランティア活動、老人介護、子育て支援、教育、環境保全、災害時の助け合いなど、決して「円換算」できないが価値の高い活動はいくらでもある。どれも昔は自ら率先して当然の如くやっていた事柄であるが、現在はそのような活動が難しくなっているし、積極的に貢献活動に出ていこうとする人の数も少ない。それらの活動に人々を魅きつけ、地域への貢献意欲を引き出し、生活が地域にひらかれる、その起爆剤となるのが、エコマネーなのである。


なお、参考になるURLは以下のとおり
http://www.sawayakazaidan.or.jp/chiikitsuka/index.html
http://www11.u-page.so-net.ne.jp/cb3/tkatoh/
http://www.ecomoney.net/



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